日本は日米安全保障条約でアメリカに守ってもらえると思っているが、本当に守ってもらえるのか考えてみました。
安全保障条約を守ってもらえなかったウクライナ
なぜ日米安全保障条約が守ってもらえるのか考えたかと言うと、ウクライナはアメリカ、イギリス、ロシア、中国、フランスと安全を保障してもらう約束をしていました。
ウクライナは1994年のブタペスト覚書でアメリカ、イギリス、ロシアにウクライナの安全を保障してもらう代りに核を放棄してます。中国、フランスとは別々の書面で個別保障とあります。
ブダペスト覚書(ブダペストおぼえがき、英: Budapest Memorandum on Security Assurances)は、1994年12月5日にハンガリーの首都ブダペストで開催された欧州安全保障協力機構(OSCE)会議において署名された覚書で、ベラルーシ、カザフスタン、ウクライナが核不拡散条約に加盟したことに関連して、協定署名国がこの3国に安全保障を提供するという内容のものである。アメリカ合衆国、ロシア、イギリスの核保有3カ国がこの覚書に署名。また中国とフランスは別々の書面で若干の個別保障をしている[1]。
ブダペスト覚書 – Wikipedia
しかし、今回、そんな約束があったにも関わらずロシアから侵攻され、アメリカ、イギリス、フランス、中国、どこからも守ってもらえない状態です。
当時は核保有国を減らす為に持ち上げられたが、いざとなるとどの国も過去の約束より今の自国利益を優先すると言う事です。
今回のウクライナの場合、ロシアとの大きな戦争になる可能性があり、かなりリスク、出費が大きいです。その負担を負ってでもウクライナに加勢するメリット、意義は各国見いだせなかったと言う事でしょう。
中国は日本へ侵攻してくるのか
そうなると気になるのは日本は有事になった時に守ってもらえるのかと言う事です。
そもそも中国は日本へ侵攻してくるのかですが、可能性は大いにあります。本土まではないと思いますが、尖閣諸島は大いにあり得ます。
1970年頃から中国は尖閣諸島を中国の領土と主張しています。
一、釣魚島は中国固有の領土である。
(一)中国が最も早く釣魚島を発見し、命名し、利用した。
中国の主張を見てみよう|内閣官房 領土・主権対策企画調整室 (cas.go.jp)
(二)中国は釣魚島を長期的に管轄してきた。
(三)中外の地図が釣魚島は中国に属することを表示している。
また、村井友秀 東京国際大学特命教授によると中国にとって局地戦争による尖閣諸島奪取は魅力的な選択肢の様です。
日本から尖閣諸島を奪取する戦略として、局地戦争は中国にとって負ける可能性があっても魅力的な選択肢である。
死傷者感受性が高い日本人 | 中国が尖閣諸島を奪う“3つのシナリオ” | Web Voice (php.co.jp)
アメリカと全面戦争になると中国は勝つ見込みがないので、アメリカが介入してくる大きな戦争を仕掛けてくる事はない様です。ただ、アメリカが介入しない局地戦争であれば、中国が日本に負ける可能性があっても魅力的な選択肢との事です。
米軍基地がある日本本土へ中国軍が攻めてくる事はなさそうですが、尖閣諸島に侵攻してくる事は十分ありそうです。
また、web Voiceの違う記事にはこんな事が書いてありました。
この情報についてアメリカ政府側は、何の公式な発表も行っていないが、アメリカ海軍の消息筋によると、習近平は北京での秘密会議の席上、「台湾を攻撃する前に尖閣列島を占拠し、軍事基地にする」と述べた。
「尖閣列島を占領すれば、台湾を東側から攻撃できることになり、軍事的にきわめて有利な立場になる」
尖閣を盗み取る中国の秘密作戦が始まる | Web Voice (php.co.jp)
かなり過激にも思えますが、面白い内容です。
台湾へ軍事侵攻する為に先に尖閣諸島を実行支配し、基地を作る可能性があると書かれています。
台湾と尖閣諸島はかなり近い為、中国が台湾へ軍事侵攻すると尖閣諸島も巻き込まれるのではと思っていましたが、台湾へ攻めやすくする為に先に尖閣諸島に侵攻してくる様です。
中国が尖閣諸島に侵攻してきたら守ってもらえるのか
外務省のホームページに載っていた安全保障条約 第5条の抜粋です。
各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。
外務省: 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約 (mofa.go.jp)
解説も載っていました。
この条文は、日米両国が、「日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃」に対し、「共通の危険に対処するよう行動する」としており、我が国の施政の下にある領域内にある米軍に対する攻撃を含め、我が国の施政の下にある領域に対する武力攻撃が発生した場合には、両国が共同して日本防衛に当たる旨規定している。
日米安全保障条約(主要規定の解説) (mofa.go.jp)
両国が共同して日本防衛に当たるとなっているので、条約上は守ってもらえる様です。
ただ、両国が共同して日本防衛に当たるとなっているので日本も戦闘する必要はある様です。日本人は有事の際はアメリカ軍だけで防衛してくれくれると思っている人が多い気がします。自分も以前はそうでした。ですが、日本も戦闘しないといけないんですね。
また、別の記事ではこうも書かれています。
そもそも、オバマ政権にせよトランプ政権(現在までのところ)にせよ、「第三国間の領土問題には介入しない」というアメリカ外交の伝統的鉄則を変更してはいない。すなわち、アメリカ政府は「尖閣諸島の領有権が日本に帰属しているのか否か」に関しては一切触れてはいない。アメリカ側は、このような基本姿勢の上に「現状では、尖閣諸島は日本の施政下にあると理解している」という立場をとっているのだ。
アメリカが日本を守ってくれる?日米安保条約第5条の〝本当〟:朝日新聞GLOBE+ (asahi.com)
尖閣諸島が日本と中国のどちらの領土か?といった問題に変化してしまった場合、アメリカに軍事介入してもらえません。尖閣諸島が日本の領土と認められている必要があります。
中国が日本に見つからない様に尖閣諸島に上陸、実行支配した場合、日本は武力によって取り戻しに行くかは不明です。そうすると尖閣諸島はどちらの領土か?の問題に変化するの可能性があります。
ですので、中国が尖閣諸島を実行支配する前に侵攻を察知して戦闘に持ち込む必要がありそうです。
先ほどの記事ではこう締めくくられてます。
習近平の実力を行使しての不法行為に対抗するためには、実力行使が必要となる。だが、この重要な点を、日本と日本政府は明確に認識していない。不法に実力をふるい、無法行為を働く者に対抗するには実力行使しかないという事実を、長いあいだの平和主義に毒された日本の人々は理解できなくなっている。
習近平の実力を行使しての不法行為に対抗するためには実力行使が必要 | 尖閣を盗み取る中国の秘密作戦が始まる | Web Voice (php.co.jp)
また、ウクライナでの出来事を考えると、尖閣諸島を守る戦闘がアメリカにとって価値がある物でないと守ってもらえない可能性があります。
アメリカが台湾に半導体を依存している内は、アメリカも台湾を中国に渡したくないので、戦闘の際に拠点となる尖閣諸島は守る価値があるのかもしれません。
しかし、台湾に半導体を依存しなくなったら尖閣諸島は守る価値がなくなるかもしれません。中国が尖閣諸島は自分たちの領土だと強く主張しながら軍事侵攻してきた場合、中国と大きな戦争に発展するのを恐れて今回のウクライナの様に見捨てられる可能性もあります。
そうならない様にする為には、常に自衛隊を常駐し、日本の領土だと言う事を強くアピールしつつ、尖閣諸島への上陸はさせない様にした方が良さそうです。
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