古いマンガ(最終巻(20巻)が1999年発行)ですが、政治の裏側がわかって非常に面白いです。また、扱っている題材も今に通じる物が多く、非常に勉強になります。
マンガ「加治隆介の議」を紹介します。
一歩踏み込んだ内容が面白い
マンガでしか書けない一歩踏み込んだ内容が書かれています。
新聞では表面的な事しか書けませんが、フィクションとノンフィクションが混在するマンガなので政治の裏ではこんな事が起きているんじゃないかといった内容が描かれています。
色々と取材をされて非常に細かい所まで書かれています。
最初に選挙に出るのですが、どんな選挙費用が必要なのか、規定の費用では全然足りない等、新聞やTVでは触れられない内容に踏み込んでいます。
国会が閉会した後の海外視察の様子なども書かれています。政治家の海外視察と聞くと遊びに行っているイメージしかなかったですが、そんな事もない様です。
選挙での政治家同士の駆け引き、女性スキャンダルで大物政治家が失墜する話や中国、アメリカのスパイが日本に潜入しているといった話も書かれています。どこまでが取材で得た情報でどこからが想像なのかわかりませんが、かなり取材をして書かれている様なのでゼロから想像ではなく、裏話に色を付けて書いているのかな~と思って読んでます。
そしてこういった政治家の金銭、駆け引き、スキャンダル、スパイなどの裏話をここまで詳細にかけるのはマンガならではです。
細かい事実も書かれている
しっかり取材をされて書かれている様で、知らなかった事実を知る事も多いです。
例えば、日本が安保理の常任理事になる時の話ですと、国連安全保障理事会の常任理事になる前は、旧敵国条項なるもので世界の敵国と定義されていたそうです。それで常任理事になる際は旧敵国条項の廃止を求めてから常任理事になってます。
北朝鮮との話ですと、北朝鮮はあれだけ軍事訓練とかしてますが、日本の防衛庁では有事を想定したシミュレーションをする事すら違法になるので出来ないそうです。
など、知らなかった細かい情報も出てきます。
政治の問題点、課題
政治の問題点、課題にも触れています。
主人公である加治隆介は衆議院議員です。当然、地方選挙で出馬、当選しています。
地方選挙で出馬した議員は当然、選挙で地元の利益になる事を言います。票を入れて貰わないといけないので有権者の利益になる事を言うのが当然です。
が、加治隆介は地元への利益誘導はしないと公言します。地元への利益誘導は地方議員の仕事で国会議員の仕事ではないとはっきり言います。
現実にはこんな政治家はいないですが、正論ですね。主人公が自身の選挙区へ利益誘導しない事で読者に国会議員あり方を問いかけています。
他にも韓国・北朝鮮国境、他国の核実験(日本の核に対する姿勢)、カンボジア、竹島などの問題にも触れています。
おそらく過去の時事ネタだと思いますが、今でも続いている問題なので非常に勉強に、考えるきっかけになります。
お勧めの読み方
このマンガ、書籍は既に販売されておりません。ですが、電子本では取り扱われているので、読みたい方は電子本で読んで見て下さい。
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